この夏の出会いと、あの夏の別れを、俺は忘れない
生まれつき霊感の強い青年、雨宮しぐると、変わり者のJK霊媒師、城崎鈴那。二人の出会いをきっかけに繰り広げられるひと夏の青春オカルトファンタジー。
最終章突入。
雨宮 しぐる
(Shiguru Amamiya)
17歳
主人公。生まれつき霊感が強く、これまでしてきた心霊体験は数知れない。祖父は有名な霊能者だったらしく、鈴那との出会いでお祓いの仕事を始めることになる。
城崎 鈴那
(Suzuna Shirosaki)
17歳
霊媒師の少女。変わり者だが、人に優しい性格。過去の辛いことを乗り越え、現在は神原探偵事務所でお祓いのバイトをしている。
雨宮 ひな
(Hina Amamiya)
当時10歳
しぐるの実妹。三年前、とある事件に巻き込まれて他界している。霊的な特殊能力を持っており、目が赤く光ることがあったらしい。
露
(Tsuyu)
13歳
しぐるの義妹。可愛らしく、大人しい性格。しょうもない事情でしぐるのことを旦那様と呼ばされている。世話好きで、家事はほとんど彼女がやっている。
神原 零
(Rei Kanbara)
16歳
通称ゼロ。祓い屋一門として名高い神原家の跡取り。能力が高く、地元の呪術師連盟支部長である父親の協力で、神原探偵事務所という怪異専門の探偵事務所を経営している。
十六夜 日向子
(Hinako Izayoi)
?歳
薄暗い路地でひっそりと営業してる駄菓子屋『鬼灯堂』の店主。少女のような見た目だが、その正体は妖怪。ゼロたちの協力者ではあるが、かなり謎の多い存在。
絵:唐猫 杏
街を行き交う人々の声、熱された空気を揺らす蝉達の合唱・・・夏の喧騒から、三年前のことを偲んでいる。
たった三秒の静寂ののち、イヤホン越しから夏風のノイズが鼓膜を振動させた。いっそ遠い夏の向こうへ連れ去ってくれたらいいのにと、柄にもなく想像をしてみる。
絶え間なく音楽の流れるイヤホンを外して耳を澄ませると、蝉時雨に紛れた何かの声が、俺を静かに誘っている気がした。
今年の夏は、いつもより忙しくなりそうだ。
皆様の描いてくださった夏風ノイズのイラストも紹介させて頂いております!